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個人事業主の旅費交通費|経費になるものは?【ダウンロードできる『交通費精算書』付き】

 

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これは経費なのだろうか?

個人事業主として領収書の出ない電車やバスを使った時に、経費になるのか迷ったり、PASMOやSuicaなど、交通系ICカードにチャージした際の経理処理に悩んだりすることはありませんか?

 

旅費交通費は単純なようでいて、記帳をするときには意外と困ったり間違えたりすることの多い経費の一つです。個人事業主の旅費交通費はまた、ガソリン代が家事按分の対象となるケースもあります。そこで今回は以下のことについて解説しています!

  • 旅費交通費に含まれるもの
  • 旅費交通費と間違いやすい経費
  • 研修費、交際費にまたがる経費
  • 電車代とバス代の経理処理について
  • 交通系ICカードの経理処理について
  • ガソリン代の家事按分

個人事業主の旅費交通費についてのお悩みや迷いを感じている方はぜひ参考にしてくださいね!

旅費交通費に含まれるもの

旅費交通費に含まれるのは、基本的に次の経費です。

  • 電車代
  • バス代
  • タクシー代
  • 新幹線代
  • 飛行機代
  • 宿泊費用
  • 駐車場代(コインパーキングなどの短時間)
  • 高速道路通行料
  • ガソリン代
  • レンタカー代(数時間〜数日の短期間)
  • 空港使用料

旅費交通費は、名前が示すように出張のための宿泊費といった「旅費」と、事業を行うための移動を目的とした「交通費」を含みます。

旅費交通費と間違いやすい経費

旅費交通費と間違いやすい経費には、次のようなものがあります。

駐車場代

コインパーキングなど短時間の駐車場代は「旅費交通費」として扱いますが、月極の駐車場を契約している場合の駐車場代は、「旅費交通費」ではなく「地代家賃」になります。

短時間の駐車代 旅費交通費
月極の駐車場を契約している場合の駐車代 地代家賃

レンタカー

またレンタカーを短期間借りる場合は「旅費交通費」で計上しますが、1ヶ月以上といった長期で借りる場合の勘定科目は、旅費交通費ではなく「賃貸料」の扱いです。

短期間借りる場合 旅費交通費
長期(1ヶ月以上)借りる場合 賃貸料

グリーン料金

新幹線代は旅費交通費に含まれますが、グリーン車の料金は、税務署に指摘される可能性はあります。グリーン車に乗らなければならない合理的な理由がある場合のみ経費として計上しましょう。

新幹線代 旅費交通費
グリーン料金 ▲旅費交通費(注意:合理的な理由が必要)

ビジネスクラス・ファーストクラス

飛行機のビジネスクラスやファーストクラスの費用を経費とした場合、確定申告の際に税務署の指摘を受ける可能性があります。

ただし乗らなければいけない理由があれば、必ずしも旅費交通費に含まれないわけではありません。

旅費交通費と研修費・交際費にまたがる経費

旅費交通費に含まれるのは前述したように、電車代、バス代、タクシー代、宿泊費用などです。

 

ただし、タクシー代や宿泊費用でも、「旅費交通費」ではなく、「交際費」や「研修費」となるケースがあります。

 

例えば、取引先の接待のためにタクシーを使った場合はの勘定科目は「交際費」となります。また同じタクシーを使った場合でも、研修や講習などに参加するためであれば、「研修費」です。

 

そのほか、コインパーキングの駐車場代を、打ち合わせや会議などの目的で使ったのであれば旅費交通費になりますが、取引先の接待のためであれば、「交際費」です。さらに、研修や講習などの目的であれば、「研修費」として扱います。

打ち合わせや会議のために使った 旅費交通費
取引先の接待のために使った 交際費
研修や講習に参加するために使った 研修費

電車代、バス代の経理処理

タクシーに乗ったときは領収書が出るので悩むことはありませんが、電車やバスなどのように、領収書の出ない交通機関を使ったときの経理処理はどのようにすればよいのでしょうか。

 

領収書の出ない交通費の経理処理は、使う頻度によって次の2パターンから選ぶことをおすすめします。

1.出金伝票

2.交通費精算書

出金伝票、交通費精算書のどちらを選んでも問題ありませんが、電車やバスを使う機会がそれほど多くないようであれば1の出金伝票を、電車やバスを使う機会が比較的多いようであれば2の交通費精算書を使うといいでしょう。

 

出金伝票、交通費精算書ともに記入する内容は、次のとおりです。

  • 日付
  • 金額
  • 交通機関(手段)
  • 利用区間
  • 行先、業務内容(概要)

出金伝票と交通費精算書のサンプルは次のようなものです。

(出典:出金伝票 B7ヨコ|コクヨ

(出典:出張旅費精算書(タテ型)B6|日本法令

出金伝票は文房具店や100円ショップなどで購入できますし、エクセルなどを使って自作しても構いません。

エクセルを使う場合は、無料でダウンロードできる雛形をご用意致しましたので、ご自由にお使いください!

交通系ICカードの経理処理

PASMOやSuicaといった交通系ICカードにチャージしたときや、ICカードで電車代やバス代の支払いをした際の処理は、「仮払金」の勘定科目で対応するとスムーズです。具体的な仕訳を見ながらご説明しましょう。

 

SuicaやPASMOのチャージ代を経費に計上すると、税務官のチェックが入ることがあります。税務官のチェックが入る前提で、きちんとした証拠を保管、業務専用のSuicaやPASMOを用意するなど交通機関以外での支払いに使わないことが大切です。

あくまでも自己責任になります。

 

交通系ICカードに10,000円をチャージしたとき

借方 金額 貸方 金額
仮払金 10,000 現金 10,000

 

交通系ICカードを使って500円分電車に乗ったとき

借方 金額 貸方 金額
旅費交通費 500 仮払金 500

事業を行う上で電車やバスでの移動が多い方は事業専用のICカードを用意しておくと便利です。プライベートでの使用と混ざることがなくなり、管理が煩雑にならず分かりやすいので、間違いがなくなるでしょう。

 

支払履歴の証拠である証憑は、インターネットでダウンロードしたり、券売機で発行して手に入れられます。事業用のICカードであれば、この証憑をそのまま領収書として使うことができるので、プライベートでの使用と区別をして計算をする手間が省けます。

ただし、交通系ICカードのチャージを経費にすることについては税務署のチェックが入りやすいので注意が必要です。

その理由は、交通系ICカードは交通費の支払以外にも使えるため、利用履歴を見ても内容が分からなくなりやすいことです。

 

また、チャージした時と支払をした時、両方のタイミングで記帳してしまい、結果として二重に経費計上してしまう間違いが起こりやすいことも、税務署が目を光らせている理由です。

 

Suica(スイカ)やPASMO(パスモ)を利用した際の経費についてはSuica・PASMOのチャージ代は経費になる?仕訳は?交通費の管理をラクにする方法を解説!にて詳しく解説しています。

ガソリン代の家事按分

個人事業主やフリーランスの方であれば、所有している車を事業とプライベートの両方で使うケースもあるでしょう。その場合のガソリン代は、家事按分して事業用で使う分を旅費交通費とすることができます。

 

家事按分とは、事業とプライベートで使う割合を計算して、ガソリン代の総額から事業用の割合を算出することです。

例えば、月のガソリン代が1万円であったとして、週に事業で5日、プライベートで2日車を使うケースで考えてみましょう。
  • ガソリン代:10,000円
  • 事業利用:5日
  • プライベート:2日

 

10,000✖️5➗7=7,143

このケースでは、事業の旅費交通費として7,143円を経費として計上できます。

 

家事按分の割合については、この例のように週ごとに使う日数をもとに計算するほか、走行距離や使用時間をもとに計算することもできます。

一度計算方法を決めたら、その後も常に同じ基準で計算してくださいね。

 

余談ですが、ガソリン代のほかに家事按分できる車関係の経費は、月極駐車場代や保険料、税金があります。この場合の勘定科目は月極駐車場であれば「地代家賃」、保険料は「車両費」や「損害保険料」、税金は「租税公課」を使います。

消費税でおさえておくこと

旅費交通費の経理処理で消費税が関係してくるのは、海外での旅費交通費と海外へ向かう際の航空券代です。消費税が免税、または不課税となるのは次の経費です。

  • 海外への往復運賃
  • 燃油サーチャージ
  • 海外での宿泊費
  • 海外の空港使用料

まとめ

個人事業主の旅費交通費について、旅費交通費とは何か、旅費交通費と間違いやすい経費、旅費交通費と研修費・交際費にまたがる経費、領収書の出ない交通費の扱い方や、交通系ICカードをチャージしたとき・使ったときの経理処理、ガソリン代の家事按分の方法について解説しました。

 

旅費交通費は、単純に見えて記帳の際には悩みやすい勘定科目です。記帳の際に迷ったら、この記事を参考にしてもらえると嬉しいです。

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