ウーバーイーツで得た収入は確定申告が必要? 経費になるものや申告手順も解説!
ウーバーイーツで働き収入を得た場合、一定の所得を超えると確定申告をしなければなりません。ただ、これまで確定申告をしたことがない方はどうやって申告をすればよいのか悩んでいる方もいるかもしれませんね。
この記事では、
- ウーバーイーツで仕事をした場合に確定申告が必要なケース
- 確定申告で経費として認められやすいもの
- 確定申告の手順
などを解説します!
この記事を読めば、経費として認められやすいものや確定申告のやり方がわかるようになりますよ。
- ウーバーイーツで働いた際に確定申告が必要な理由
- ウーバーイーツで確定申告が必要なケースとそうでないケース
- 経費として認められるものと認められないもの
- 確定申告の手順
ウーバーイーツで稼いだ収入は基本的に確定申告が必要
ウーバーイーツで稼いだ場合は基本的に確定申告が必要です。なぜなら、ウーバーイーツで働いた方は雇用されているのではなく個人事業主の扱いになるからです。
そもそも確定申告とは、毎年1月1日から12月31日までの収入を計算し、税金を納める手続きのこと。実際にウーバーイーツを運営しているウーバー社の公式サイト内でも、以下のような記載があります。
Uberは税金を支払ってくれますか、それとも源泉徴収をしてくれますか?
いいえ。あなたは配達パートナーとして、あなたが独自にUberのプラットフォームに登録されたレストランパートナーに配送サービスを提供していることになります。したがって配達パートナーはUberの従業員でも請負業者でもなく、個人事業主としてレストランパートナーへ配達サービスを提供し、報酬はレストランパートナーから支払われます。 そのため、本活動に伴い発生するすべての関連する税金をご自身にて申告し、支払う義務があります。
(引用元:確定申告の義務について|Uber)
上記のことからウーバーイーツで収入を得た場合も確定申告を行わなければなりません。
ウーバーイーツで確定申告が必要になるケース
ウーバーイーツで確定申告が必要になるケースについて解説します。以下のケースにあてはまる場合は確定申告をしなければなりません。
働き方 | 確定申告をしなければならない基準 |
会社員として副業で働いている | 給与所得を除く年間所得が20万円以上 |
学生として副業で働いている | |
専業で働いている(個人事業主として) | 年間所得が48万円以上 |
会社員や学生が副業で働いた場合の基準は年間所得20万円以上
会社員や学生が副業で働いた場合に確定申告をしなければならない基準は、給料を除く年間所得合計が20万円以上のケースです。会社員や学生で、他に勤務先がありそこからお給料をもらっていて、そのほかにウーバーイーツでも収入を得ている方の場合です。
所得は以下の計算式で算出されます。
ただし、株式・FXなどの投資やアフィリエイトなどの副業から得られる収入についても年間所得に合算されます。
専業で働いた場合の基準は年間所得48万円以上
基礎控除とは、所得税などを計算する際に納税者の所得から必ず引かれるもの。
専業でガッツリ働いている方で年間所得が48万円を下回るケースは少ないため、ほとんどの方が確定申告をしなければなりません。
この時に、所得区分をどうするのか個人事業主として「事業所得」にするのか、「雑所得」になるのかというのもポイントです。
雑所得でも経費をいれることは可能ですし、確定申告は事業所得よりもはるかに簡便的な処理で済みます。
もし確定申告をしなかった場合はどうなる?
と考える人もいるかもしれません。
ただ、確定申告をしなかったことが税務署にばれると、本来の納税額に加えて税金を支払わなければならなくなります。
延滞税 | 確定申告の期限日の翌日から納付日までの日数に応じて課される |
無申告加算税 | 確定申告の期限までに申告を行わなかった際に課される |
重加算税 | 確定申告の納税額を故意に少なく納税するなど悪質なケースで課税される |
仮に、専業の方がウーバーイーツで年間400万円の所得があり申告しなかったケースで考えてみましょう。なお、延滞した日数は1年間とします。
確定申告をしなかった場合、延滞税と無申告加算税がかかります。延滞税と無申告加算税の税率は以下のように定められています。
延滞税※ |
|
無申告加算税 |
|
※令和3年1月1日から令和3年12月31日
たとえば、専業の方で100万円の税金がでるのに、申告・納付しなかった場合で考えてみましょう。延滞税の計算方法は、以下の計算式で求められます。
延滞期間が1年の場合にかかる延滞税は以下のように計算できます。(概算)
期限翌日から2か月目まで | 100万円×2.5%×60日÷365日=約4,100円 |
2か月目から365日目まで |
100万円×8.8%×305日÷365日=約73,500円 |
延滞税の合計 | 4,100+73,500=約77,600円 |
そして、無申告加算税は以下のように計算します。
※自主的に期限後しなかった場合
50万円までの加算税 | 75,000円 |
50万円超からの加算税 | 10万円 |
加算税の合計 | 17万5,000円 |
ウーバーイーツの確定申告で経費として認められるもの
ウーバーイーツで確定申告を行います。働く際にかかった費用については経費として計上することで、所得税や住民税を下げられます。
ただ、どこまでが経費でどこからが経費として認められないかは税務署の職員次第で変わることもあります。ウーバーイーツで働いた際に経費として認められやすいものは以下の費用です。
- 自転車やバイクの購入・レンタル費用
- 自転車やバイクのメンテナンスやガソリン代
- 自転車やバイクの保険
- 配達時に利用する備品
- 配達エリアまでの交通費
- スマホの通信費
順番に解説しますね。
自転車やバイクの購入・レンタル費用
自転車やバイクはウーバーイーツでの配達に欠かせないものなので、レンタル・購入のどちらも経費として認められやすいです。
特に自転車やバイクをレンタルした場合、全額が経費として認められやすいでしょう。たとえば、Uber専用プランで自転車やバイクを借り、1年間働いた場合に経費として計上できる金額は以下の通りです。
経費として計上できる金額(1年間) | |
自転車の場合(月額4,000円のケース) | 48,000円 |
バイクの場合(月額16,000円のケース) | 19万2,000円 |
それぞれ一番安いレンタル費用のものを借りたケースで計算しましたが、自転車なら年間4万円以上、バイクであれば年間19万円以上経費にできます。
また、自転車やバイクを購入した場合も仕事だけで利用するのであれば全額を経費にできます。
自転車やバイクのメンテナンスやガソリン代
自転車やバイクを利用して働くと、タイヤのパンクやオイル交換などで修繕費用がかかります。
またバイクを利用する場合はガソリン代も多くかかるでしょう。メンテナンス費用やガソリン代も経費の対象です。
特に専業でバイクを利用して配達をしていれば、1か月のガソリン代だけで1万円を超えることもあります。忘れずに経費として計上するべきです。
自転車やバイクの保険
ウーバーイーツの配達員になると、配達中であれば無償で保険が適用されます。
そのため、追加で保険に入った場合は、保険費用も経費の対象になります。
配達時に利用する備品
配達時には以下のような備品を揃えなければなりません。
- スマホのホルダー
- バイクのヘルメット
- 空気入れ
- 自転車やバイクのペダル
- ライト
- モバイルバッテリー
そのため、安全のために購入したヘルメットや仕事に必要なモバイルバッテリーなどは経費にできます。
配達エリアまでの交通費
働いている方のなかには配達需要があるエリアまで通勤している方もいます。配達エリアまでバスや電車で行く際の交通費も経費にできます。
スマホの通信費
仕事中は常にスマホの電源をONにしなければなりません。そのため仕事中に利用した通信費も経費にできます。
確定申告で経費にできない可能性があるもの
ウーバーイーツで使っているすべてのものが経費にできるわけではありません。たとえば以下のような費用は私用として使われたと判断されやすいので、経費として認められにくいです。
- 休憩中の飲食代
- 自宅待機中の家賃
- 配達中に交通違反をした場合に課せられる罰金や科料
休憩中の飲食代
休憩中の飲食代は経費として認められるかグレーです。
休憩中の飲み物程度であれば認められる可能性はあるもの、食事代について認められない可能性が高いでしょう。
自宅待機中の家賃
ウーバーイーツは注文が来なければ配達ができません。そのため、注文を待つ間自宅にいるので家賃を経費にしたいと考える方もいます。
ただ、待機中は働いている時間ではありません。したがって、待機中の家賃を経費にするのは難しいです。
配達中に交通違反をした場合に課せられる罰金や科料
配達中にスピード違反や駐車違反をした場合に課せられる罰金や科料は経費にできません。所得税法第45条1項7号にも定められています。
第四十五条 居住者が支出し又は納付する次に掲げるものの額は、その者の不動産所得の金額、事業所得の金額、山林所得の金額又は雑所得の金額の計算上、必要経費に算入しない。
七 罰金及び科料(通告処分による罰金又は科料に相当するもの及び外国又はその地方公共団体が課する罰金又は科料に相当するものを含む。)並びに過料
ウーバーイーツで仕事をする際にかかった経費に計上する場合の注意点
ウーバーイーツで仕事をする際にかかった費用を経費に計上する際には以下の点について注意しましょう。
- 器具備品などが高額になる場合は減価償却を行う
- 仕事以外でも利用している場合は一部のみ経費にできる
費用が高額になる場合は減価償却を行う
ウーバーイーツで仕事に使うものが10万円以上の場合は、1回の確定申告ですべての費用を経費として計上できません。したがって、減価償却を行う必要があります。
減価償却とは以下のような手続きのことを指します。
長期間にわたって使用される固定資産の取得に要した支出を、その資産が使用できる期間にわたって費用配分する手続き
引用元:Wikipedia
通常、ものは購入してから期間が経つほど劣化していきます。10万円を超えるものについては数年に分けて経費にしなければなりません。
何年に分けるかは国によって決められており、自転車なら2年、バイクなら3年です。
また、申告方法によって減価償却しなければならない金額が異なります。
申告方法 | 一括で経費にできる金額 |
白色申告 | 10万円まで |
青色申告 | 30万円まで |
- 白色は10万円以上のもの
- 青色申告は30万円以上のもの
仕事以外でも利用している場合は一部のみ経費にできる
仕事に必要なものであっても、仕事以外で使用しているものについては按分と呼ばれる方法で一部のみ経費にできます。
按分とは仕事だけでなくプライベートでも利用している費用について一部を経費として計上すること
たとえば、以下の費用をプライベートで使った場合は、仕事で使用した割合に応じて経費にします。
- スマホの本体代
- スマホの通信代
- 自転車やバイクの購入費用
ウーバーイーツで利用した割合 | 経費にできる金額 |
3割 | 15,000円 |
5割 | 25,000円 |
10割 | 50,000円 |
自転車を週の3割のみ仕事で使ったときに経費にできる金額は15,000円のみです。しかし、仕事での利用が5割になれば25,000円を経費にできます。
もちろん、ウーバーイーツの仕事のときにしか自転車を使わない場合は、全額を経費にすることも可能です。
ウーバーイーツの収入を申告をする際の4つの注意点
ウーバーイーツの収入を申告をする際には4つの注意点があります。
- 申告期間は毎年2月15日から3月15日前後
- レシートや領収証は紛失しないように取っておく
- 青色申告をすれば最大65万円を控除できる
- レシートや領収書は7年間保管する
確定申告する際に気づいて慌てないように把握しておきましょう。
申告期間は毎年2月15日から3月15日前後
確定申告の申告期間は毎年2月15日から3月15日前後です。3月15日が土日の場合月曜日の早朝までに税務署に申告書が到着すれば問題ありません。なお、申告期限に遅れた場合は延滞税がかかります。
期限までに間に合うように申告手続きを行いましょう。
レシートや領収証は紛失しないように取っておく
ウーバーイーツの仕事をする際にかかった費用を経費に計上するためにはレシートや領収書を取っておかなければなりません。なお、万が一紛失した場合は、出金伝票で代用できます。
出金伝票とは
出金伝票とは出金があったことを証明する書類で、100円ショップなどで販売されています。
以下の4つの情報を記載すれば領収書やレシートの代わりに使えます。
- 支払日
- 支払先
- 金額
- 支払内容
青色申告をすれば最大65万円を控除できる
確定申告をする際には2つの方法があります。
申告方法 | 節税効果 |
白色申告 | 10万円 |
青色申告 | 最大65万円 |
- 白色申告
- 青色申告
このうち、より節税効果があるのは青色申告で最大65万円の控除を受けられます。
青色申告をするためには申告する前年の3月15日までか、開業から2か月以内に税務署へ以下の書類を提出しなければなりません。
- 個人開業届
- 青色申告承認申請書
たとえば、令和3年の3月15日までに提出する令和2年分の確定申告を行う場合は、令和2年の3月15日までにこれらの書類を提出する必要があります。
なお、青色申告で最大65万円の控除を受けるための方法については、青色申告と電子申告をしないと損する?メリットはある?で解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
レシートや領収書は5年もしくは7年間保管しなければならない
確定申告をする際にレシートや領収証は提出する必要がありません。ただし、レシートや領収書は確定申告後も一定の期間保管する必要があります。
申告方法確定申告日からの保管期限
白色申告 | 5年間 |
青色申告 | 7年間 |
したがって、紛失していなければ支払わなくてよかった税金を支払う羽目になる可能性があるので注意しましょう。
ウーバーイーツの収入の確定申告手順を解説
ウーバーイーツから収入を得ると、確定申告を行います。ただ、実際にどのように申告をすればよいのかわからなくて困っている方もいるかもしれません。
確定申告は以下の手順で行います。
1.申告方法を決める
確定申告は白色申告か青色申告で行います。白色申告の方が手間がかからずかんたんですが、節税効果を求めるなら青色申告を選ぶべきです。
なお、青色申告のメリットについてはまだ白色申告で損してるの?青色申告はメリットしかないで解説しています。
2.ウーバーイーツで得た売上と経費にできるものを計算する
次にウーバーイーツの管理画面を確認し、1月1日から12月31日までの間にウーバーイーツで得た売上を確認します。経費については、事前に領収書やレシートをまとめておきましょう。
なお、確定申告書を作成する際にはマネーフォワードなどのソフトの利用をおすすめします。
売上や経費の入力がかんたんになるだけでなく、三菱UFJ銀行や三井住友銀行などの銀行口座と連携できるので、入力の手間を省くことが可能です。
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3.確定申告書に記入する
次に確定申告書に記入をしますが、ウーバーイーツの収入は以下のいずれかの所得で申告します。
開業届を出していない | 雑所得 |
開業届を出している | 事業所得 |
なお、確定申告書のなかで支払い社名を記入しなければならない箇所があるので「Uber Portier Japan合同会社」と記載しましょう。
4.確定申告書を税務署に提出する
確定申告書が完成したら以下のいずれかの方法で税務署に提出します。
提出方法 | 手間や時間 | 節税効果 |
税務署の窓口 | 開場時間が限られている(時間外収受箱への提出は可能) | 特になし |
税務署に郵送 | 到着に時間はかかるが、スムーズに提出可能 | 特になし |
e-taxを利用して電子申告 | 押印や郵送の手間が省けるが事前準備がやや大変 | 青色申告の場合、控除額が10万円アップする |
税務署に郵送するかe-taxを利用しての電子申告がおすすめです。青色申告をする場合は電子申告を利用することで所得から10万円控除されます。
5.所得税を納付する
税務署に確定申告書を送った後は、以下のいずれかの方法で納税を行います。
- 振替納税
- e-taxでの納税
- クレジットカードで納税
- コンビニエンスストアで納税
- 金融機関や税務署の窓口で納税
なお確定申告書を提出した後に、税務署から納税通知書や納付用紙が届くことはありません。また令和3年の納付期限は3月15日です。
そのため確定申告書の提出日がぎりぎりになる場合は、すぐに納税をしなければならないので納付し忘れには注意しましょう。
まとめ:ウーバーイーツで得た所得が一定水準を超えれば確定申告が必要!
ウーバーイーツで得た所得が一定の水準を超えれば確定申告をしなければなりません。もし、確定申告をしなければ税務署にばれて追加で税金を納めなければならなくなります。
納める税金を減らすためには、ウーバーイーツで働く際にかかった費用は忘れずに経費として計上します。領収書やレシートなどは捨てずに保管しておきましょう。
なお、確定申告をする際にはマネーフォワードのソフトを利用すれば申告の手間が省けます。
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