美容室が法人化するメリットやタイミングとは? 個人事業主と税金を比較!
Warning: Undefined variable $kanren in /home/zeizei/zei777.com/public_html/wp-content/themes/elephant3/library/shortcodes.php on line 578
美容室の売上が増えてきたから節税目的で法人化しようと考えていませんか?
法人化すれば、大きな節税効果が得られる可能性は十分あるでしょう。
ただ、
と考える方も多いのではないでしょうか?
そこで、この記事では以下のことについて解説します。
- 法人化のメリット
- 法人化する際の注意点
- 美容室が法人化するタイミング
この記事を読めば、美容室を法人化する際にどのようなメリットがあるのかわかるようになります。ぜひ最後まで読んでみてくださいね!
美容室が法人化するメリット
個人事業主として美容室を開業して、売上が伸びてくると法人化を検討する方もいるでしょう。
では法人化すると個人事業主と比べてどのようなメリットがあるのでしょうか?
- 個人事業主よりも社会的信用が高くなる
- 金融機関からの融資が受けやすくなる
- 売上1,000万を超えても法人化をすれば2年間は消費税を免除される
- 税金が安くなる
- 求職者の数が増える
- 有限責任にできる
- 欠損金の繰越控除可能期間が10年に延びる
- 経費の範囲が広くなる
順番に見ていきましょう!
1.個人事業主よりも社会的信用が高くなる
個人事業主は会社と比べると、社会的信用が低くなります。社会的信用が低ければ、仕事上で不利になるケースも珍しくありません。
しかし法人化をすると、資本金の払い込みをしたり決算内容を開示したりするので、顧客からも信用されやすくなります。
利用する顧客も、個人事業主より会社が運営している美容室の方を信用するでしょう。
2.金融機関からの融資が受けやすくなる
美容室を運営していると、新店舗出店など資金が必要になるケースは多々あります。資金調達の主な手段は金融機関からの融資です。
法人化すると、個人事業主よりも社会的信用が高くなるため、金融機関などから融資を受けやすくなります。
設備投資などの費用も調達しやすくなるので、より売上アップを狙いやすくなります。
3.売上1,000万を超えても法人化をすれば2年間は消費税を免除される
個人事業主であっても、以下のようなケースでは、消費税を支払わなければならなくなります。
- 前々年の売上が1,000万円を超えている
- 前年の上半期の売上が1,000万円を超えた
しかし、このような状況下で法人化した場合、2年間消費税を支払う義務はなくなります。
なぜなら、廃業した個人事業主と法人化した会社は別のものと判断されるからです。
4.税金が安くなる
個人事業主の場合、所得に応じて5〜45%の税金がかかります。所得が一定の基準を超えてくれば、税率もだんだんと高くなります。
住民税と合わせると最大55%も税金でもっていかれるため、売上と利益を伸ばすほど、税金の負担が重くなってしまいます。
しかし、法人の場合、以下のように最高税率は23.2%と個人事業主よりも遥かに安くなります。
資本金1億円以下の法人 |
年800万円以下の部分の税率 |
15% |
---|---|---|
年800万円超の部分の税率 |
23.2% |
|
普通法人(資本金1億円超) |
税率 |
23.2% |
おおむね年間の利益が600万円を超えてきたら、法人の方が税金を抑えられます。
5.求職者の数が増える
多くの求職者は安定を求めている傾向があります。そのため、個人事業主よりも社会的信用が高い法人の方が、求職者は増えるでしょう。
当然、求職者の数が多い法人の方が、より優秀な人材を採用できる可能性は上がります。新規出店などでとにかくたくさんの人材を採用したい場合や優秀な人材が欲しい場合は、法人化するのをおすすめします。
6.有限責任にできる
個人事業主と法人では、責任を負う範囲が異なります。
個人事業主 |
無限責任 |
責任が無制限に発生する |
---|---|---|
法人(株式会社や合同会社など) |
有限責任 |
責任は決められた範囲のみ |
美容室を運営する個人事業主が金融機関から融資を受けた後に、事業を畳まなければならなくなった場合、自分の財産を処分して借りたお金を返す必要があります。
一方で、法人化した場合、出資者が自分の出資分についてのみ責任を負うだけで問題ありません。つまり、事業に失敗した場合でも、法人の資産を処分するだけでよいのです。
7.欠損金の繰越控除可能期間が10年に延びる
美容室を運営していると、必ず黒字になるわけではありません。売上が大幅にダウンするなどの理由で、赤字になる年度もあるでしょう。
法人化すると、欠損金の繰越控除可能期間が最大10年間に延びます。個人事業主の3年と比べると、大きな違いです。
赤字額が多い場合、繰越控除可能期間が3年では、控除を使い切れない可能性もあります。しかし、10年もあれば、赤字額が多くても節税がしやすくなるでしょう。
8.経費の範囲が広くなる
美容室を法人化すると経費の範囲が広くなります。
- 家族を社員として雇用する場合に書類の提出を求められない
- 役員への退職金を経費にできる
- 保険料を多く計上できる
個人事業主の場合も家族を社員として雇用することは認められています。しかし、青色事業専従者給与の届け出を提出しなければなりません。一方で、法人化すれば、書類の提出をしなくても経費として計上できます。
また、役員へ退職金を支払った場合、損金計上が認められているので、法人所得を減らせます。加えて、生命保険料の控除額も個人事業主よりも多くなります。
生命保険料の控除額 |
|
---|---|
個人事業主 |
年12万円まで |
法人 |
保険の種類による(全額、2分の1、3分の1など) |
美容室を法人化する際の注意点
法人化すれば、さまざまなメリットがあります。しかし、美容室を法人化する際にはいくつか注意しなければならない点もあります。
- 法人化するのに約25万円の費用がかかる
- 赤字になっても法人住民税や税理士へ支払う費用がかかる
- 社会保険料の負担が重くなる
順番に解説します。
1.法人化するのに約25万円の費用がかかる
美容院で法人化する場合、多くは株式会社を設立するでしょう。株式会社を設立する場合、法人登記費用や印紙代など含めて約25万円もの費用がかかります。
また、会社自体は資本金1円でも設立可能ですが、会社の信用を考えると現実的ではありません。そのため、法人化する場合、かなりの金額がかかると考えておきましょう。
2.赤字になっても法人住民税や税理士へ支払う費用がかかる
個人事業主の場合、赤字であれば、所得税や住民税の支払い義務はありません。しかし法人化した場合は赤字であっても、法人住民税の均等割(年間約7万円)を支払わなければなりません。
また、法人化すると顧問税理士をつける必要があるため、月額1〜5万円の顧問料がかかります。
3.社会保険料の負担が重くなる
法人化すると社会保険への加入が義務化されます。社会保険料は従業員の数が多いほど、費用負担が重くなります。
また1人社長で起業する場合でも、社会保険の加入は義務なので、確実に負担は重くなるでしょう。社会保険料の負担が重くなれば、売上が飛んでしまうので注意してください。
節税目的だけが目的の法人化は待った方がよい
節税目的で美容室を法人化する方は多いでしょう。特に、売上が1,000万円を超えた場合、2年後には消費税を支払わなければなりません。そのため、なんとしても消費税の支払いを避けるために法人化を検討している方も多いのではないでしょうか?
しかし、利益が少ない状態で、消費税の免税を目的とした法人化は推奨できません。
なぜなら、法人化すると赤字になっても、さまざまな費用を支払う必要があるからです。
- 顧問税理士に支払う費用(月5万円前後)
- 法人住民税の均等割(年7万円)
そのため、利益があまり出ていない状態で法人化すれば、これらの固定費に苦しめられることになるでしょう。
美容室が法人化するのに最適なタイミングは年間利益500〜800万円前後!
美容室で法人化を考えるなら、売上からテナント料や人件費、各消耗品などの費用を差し引いて残った利益が500〜800万円前後になってから検討しましょう。個人的には、目安としては事業の年間利益が500万円を超えたタイミングで、一度税理士に法人化の相談をしてみるとよいのでは?と思います。
個人事業主の場合、所得が700万円の場合、税率は23%です。さらに住民税が10%、個人事業税も5%かかります。
一方で法人化した場合は、利益に応じて以下の税金がかかります。
利益 | 令和元年度以降の法人実効税率 |
---|---|
400万円以下 | 21.37% |
400万円超800万円以下 | 23.2% |
800万円超から5,000万以下 | 33.58% |
※資本金1,000万円以下の会社の場合
※令和2年10月1日以後開始事業年度から3年間の実効税率
※実効税率とは、最終的に会社が負担すべき税金の率
税金 |
個人事業主 |
法人 |
---|---|---|
所得税や住民税・事業税の合算額 |
193万1,900円 |
156万5,600円 |
法人化した方が、50万円程税金が安くなります。法人化した場合にかかる費用を差し引いても、利益が多くなるほど節税額は増えるでしょう。
※概算です。この他にも社会保険料の負担も考慮する必要があります。
まとめ:美容室で利益が安定化してきたら法人化も検討する
美容室を運営して利益が安定して一定のラインを超えてきたら、法人化も検討しましょう。法人化をすれば、税率を下げたり経費の範囲を広げたりできるので、節税効果もあります。
ただし、法人すると個人事業主時代よりも社会保険料などの負担も増えます。そのため、利益が少ない状態での法人化はおすすめできません。
最低でも年間の利益が500万円以上になってから検討しましょう。
私のサービスには、個人事業主の方が法人化にむけて、売上Upと利益Upし、長くつづく経営の土台を一緒に作るのための「お金の不安解放プログラム」があり、とても好評です。
気になる方は、こちらの無料メルマガに登録していただき、期間限定の個別相談会にいらしてくださいね。それでは。
【お金の不安解放プログラムは税理士よしむらともこの登録商標です】