独立開業で失敗する人の特徴や事例とは? 成功するために必要なことも解説!
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「会社員よりも自由に働ける」「会社員よりも稼げる」などの希望を持って独立開業をしようとする方もいるかもしれません。
開業して成功すれば、会社員よりも多くのお金を稼ぐことも可能です。ただ
という方も多いのではないでしょうか?
そこで、この記事では以下のことについて解説します。
- 独立開業して失敗する人の特徴
- 独立開業の失敗例
- 独立開業後に成功するために必要なこと
この記事を読めば、独立開業へ不安がある方でも、どうすれば失敗を避けられるのかイメージできるようになります。ぜひ参考にしてみてくださいね!
独立開業の成功率は何%?
まず、独立開業してからの成功率はどのくらいなのでしょうか? 中小企業庁が発表している2017年中小企業白書を見ると、開業から5年後も生き残っている企業の割合は81.7%も存在します。
開業からの期間 | 2017年中小企業白書 | 2006年中小企業白書 |
---|---|---|
1年後 | 95.3% | 72.8% |
2年後 | 91.5% | 60.9% |
3年後 | 88.1% | 52.8% |
4年後 | 84.8% | 46.6% |
5年後 | 81.7% | 41.9% |
(データ引用元:2016年中小企業白書|中小企業庁)
しかし、このデータは帝国データバンクのデータベースをもとに作られたものです。したがって、帝国データバンクに登録されるほど資金に余裕がある企業のデータになっており、生存率が高めの結果となりました。
一方で、より小規模の企業については、2006年の中小企業白書の方が参考になります。前年度の生存率に年ごとの平均をかけたところ、開業から5年後の生存率は41.9%になりました。
つまり、4年目までに半数以上の企業が廃業しています。
独立開業して失敗する人の特徴
独立開業しても4年以内で半数以上が失敗に終わります。ただ、独立開業して失敗した方は失敗したかったわけではないでしょう。失敗した人にはどのような特徴があるのか解説します。
- 準備が不足している
- 資金不足に陥った
- 事業計画ができていない
- 集客に苦労した
順番に見ていきましょう!
1.準備が不足している
独立開業する前は、自由度の高さや成功した際の利益をイメージしてやる気がみなぎっている方も多くいます。ところが、残念ながら多くの方は独立する前の準備が不足している傾向があります。
- 勢いだけで開業する
- アイデアだけ思い浮かんでいる状態
- なんとなく経験していることだからうまくいきそう
なんとなくのイメージだけでは、独立してから事業を軌道に乗せるのに苦労するでしょう。
独立する前に「事業を成功させるにあたり足りないものはなにか?」「その事業でどうやって収入を得ていくのか?」などを考え、準備しておかなければなりません。
2.資金不足に陥った
独立開業したばかりの方が、もっとも頭を悩ませるのが資金繰りです。
日本政策金融公庫が開業後1年以内の1,597社に対して行った新規開業実態調査でも、資金繰りや資金調達に苦しんでいる人の割合が50%を超えています。
開業時に悩んでいること | 割合 |
---|---|
資金繰り・資金調達 | 55.0% |
顧客・販路の開拓 | 46.8% |
財務や税務に関する知識の不足 | 34.4% |
(データ引用元:2020年度新規開業実態調査|日本政策金融公庫)
開業当初は、設備もお金も人脈も足りません。かといって、事業が軌道に乗る前から設備投資や人件費にお金をかけすぎると、貯金がいくらあってもすぐになくなるでしょう。
融資を受けて設備投資ができても、費用が高くなれば売上を伸ばす前に返済ができなくなります。資金不足に陥らないためには、本当に必要なものだけに費用を使わなければなりません。
3.事業計画ができていない
事業をする前には、事業計画が必要です。事業計画は、販売するサービスやターゲット層、競合との差別化なども考えた上で練らなければなりません。
事業計画を作れば、頭の中でなんとなくイメージしていたアイデアがより具体的になります。また、自分の考えを客観視でき、課題が見えてきたり、事業として成功しそうかわかったりするでしょう。
事業計画は、銀行や信用金庫など金融機関から融資を受ける際にも必要なもの。金融機関は借金を返すための計画がない経営者には、お金を貸したくありません。
しかし、事業計画があれば、どのような事業でどのように収入が発生し、どのくらいで返済できるのかまで説明できるので、審査に通りやすくなります。必ず事業計画は開業前に作っておきましょう。事業計画書の書き方については以下の記事をお読みください。
4.集客に苦労した
独立開業に失敗する理由の一つとして挙げられやすいのが、集客です。
日本政策金融公庫が行った調査でも、多くの経営者が顧客・販路の開拓について苦労しています。
悩み | 開業時の割合 | 開業後の割合 |
---|---|---|
資金繰り・資金調達 | 55.0% | 30.8% |
顧客・販路の開拓 | 46.8% | 47.3% |
財務や税務に関する知識の不足 | 34.4% |
32.4% |
(データ引用元:2020年度新規開業実態調査|日本政策金融公庫)
顧客・販路の開拓については、資金繰りや税務署とは違い、開業した後の方が悩んでいる経営者が多くなっています。
このことからも、集客面は事業を成り立たせるためにもっとも大事です。多くの経営者は、売上が下がり廃業をする原因として、景気の悪化や他社との競争が激しくなったことを挙げる人がほとんど。
そのため、どうしたら顧客がサービスを利用してくれるのかを常に考えなければなりません。
よくある失敗例やその後は?
独立開業したけど、失敗した事例は多くあります。ただ、失敗した事例のほとんどは事前に知っていれば防げていた可能性もあるでしょう。そこで、独立開業後のよくある失敗例を3つ紹介します。
- 売上の見込みが外れた
- 設備投資や広告にお金をかけすぎた
- 市場調査ができていなかった
どの事例も重要なので必ず理解しておきましょう。
1.売上の見込みが外れた
独立開業する方のほとんどは、独立開業前に会社員として勤務している傾向があります。
付き合いのあった取引先に連絡をすると「次から依頼する時はあなたから買うね」「なにか困ったことがあったらいつでも言ってくれ」と言われる人も多いでしょう。ところが、そのように応援してくれた方が、独立開業したばかりのあなたから商品やサービスを購入してくれるとは限りません。
その理由は、あなたではなく、会社の看板を信用して取引を続けていることが多いから。
仮に応援してくれた方があなたから商品を購入したくても、会社が認めてくれないケースもあるでしょう。そのため、独立前に応援してくれた方を見込みに入れると思わぬ苦戦をすることになります。
2.設備投資や広告にお金をかけすぎた
独立開業後に失敗する方の多くは、事業が軌道に乗る前から設備投資や広告に大金をつぎ込んでいます。
たとえば、ラーメン屋を開業するケースを想定してみましょう。お金がないのに、以下のすべてをはじめから揃えようと考えていませんか?
- やたら広い物件を借りる
- 従業員をたくさん雇用する
- 調理や営業を行う際に使用する備品は大きくて豪華なものを選ぶ
- 雑誌やネットなどに支払う広告費用が高い
独立開業が失敗する原因は、お金が足りなくなるからです。売上が少ないのに、設備投資や広告にお金をかけすぎれば、すぐに資金を失うのではないでしょうか?
ましてや、対面型のビジネスは、2019年以降新型コロナウィルスの影響で大きな打撃を受けています。支出を抑えて利益を残せる状態にしなければ、廃業せざるを得なくなるでしょう。
3.市場調査ができていなかった
独立開業後に、事業をスムーズに軌道に乗せるためには、以下のような市場調査が欠かせません。
- サービスを利用してくれる顧客がどのくらいいるのか?
- 競合店と戦っても勝てるのか?
- 価格は?
- ターゲット層は?
しかし、失敗する方の多くは市場調査が不十分です。
たとえば、カフェを開くにしても、誰をターゲットにするかで戦略は異なります。店舗の周りに学校が多いのであれば、学生でも手軽に利用できる価格にしなければ、顧客は増えません。
一方で、年配の方が多い立地であれば、若者向けのカフェを出しても流行しません。コーヒーへのこだわりがあるお店や昔ながらの喫茶店で勝負した方が集客が見込める可能性が高くなります。
市場調査が十分でなければ、その地域にいる顧客のニーズを満たせないため、集客面での苦戦は確実です。
独立開業後に成功するために必要なこと4選!
独立開業をして失敗した事例は、一度や二度は見聞きしたことがあるのではないでしょうか? ただ、これから独立開業して成功するために必要なことを紹介します。
- 集客を徹底する
- 最初はお金をかけすぎず小さくはじめる
- 1年分の生活費は蓄えておく
- 悪いことも想定して事業計画を立てる
具体的に解説しますね!
1.集客を徹底する
独立開業して成功するためには、早めに売上を安定させなければなりません。しかし、開業当初は知名度がないため、顧客から利用してくれるのを待っていても売上は一向に上がらないでしょう。
たとえば、以下のような方法で、自分から顧客を集める努力が必要です。店舗ビジネスと在宅のフリーランスのケースで見てみましょう。
事業 | 営業方法の一例 |
---|---|
店舗ビジネス |
|
在宅のフリーランス |
|
店舗ビジネスと在宅フリーランスでは、営業方法はまったく異なります。ただ、どちらの場合でも顧客に自分の存在を知ってもらうことは欠かさず行いましょう。
2.最初はお金をかけすぎず小さくはじめる
独立開業や起業と聞くと、派手なイメージがあります。そのため、開業した月からいきなり多くのお金をかけて設備投資や集客をする方もいますが、残念ながら失敗した場合のリスクが大きいのでおすすめしません。
最初はお金をかけすぎず、小さく事業をはじめるぐらいで十分です。
実際に、年商数十億以上のベンチャー企業でも、開業当初は狭いビルをオフィスにしていたり、設備投資を最低限にしたりしていた企業も多くあります。開業して生き残るためにはとにかく売上をと考えがちですが、資金繰りの方が大事です。なるべく、無駄な費用は減らさなければなりません。
3.1年分の生活費は蓄えておく
独立する前は、儲かって楽しいことを思い浮かべる方も多いかもしれません。しかし、開業後から売上が安定するケースはほとんどなく、毎月赤字続きで貯金を切り崩している方も多いのが現状です。
したがって、なるべく独立開業前に1年分の生活費を蓄えておいてください。
生活費の蓄えがない状態での独立は、経済的不安を抱えやすいため、仕事にも悪い影響が出る可能性があります。
4.悪いことも想定して事業計画を立てる
事業計画を立てる際には悪いことも想定して作るべきです。知り合いに、20年以上医療関係で事業を行っている方もいますが、残念ながら資金繰りに苦労されています。
その原因は、悪いことを一切想定していないから。そもそも、事業計画通りに進むことはほとんどありません。
「取引先の都合による契約解消」「競合他社の増加による売上減少」などはよくあることです。
開業後によくある悪いことの例 | 考えられる対応策 |
---|---|
お得意様の勝手な都合で契約がなくなってしまった |
|
競合他社が増えたことで顧客を奪われた |
|
事業計画を立てる際は、悪いことが起きても廃業しなくて済むような計画を立てることが重要です。
まとめ:独立開業で失敗しないためには準備がとにかく大事
独立開業から約4年で半分以上の方が事業を畳まざるを得ないのが現状です。特に、資金繰りや集客面で苦労する傾向があります。
独立開業で失敗しないためには、お金をかけなくても集客と営業ができる仕組みを作ることが重要。
また、失敗したケースについても想定しなければなりません。お金をかけすぎなければ、失敗したときの損失が最低限に抑えられるので、撤退しやすくなるからです。