人生やキャリアにおいて目標を設定することは、夢の実現のためにとても重要なことです。
しかし、多くの人が短期目標や長期目標を立てることは意識していますが、「中期目標」については、見落としがちです。
中期目標は、短期的な成果と長期的なビジョンをつなぐ架け橋として機能します。これをうまく活用することで、計画に段階的な達成感を持たせ、最終的なゴールに向かって着実に進むことができます。
中期目標を持たず、長期目標を掲げるだけでは、途中でモチベーションを失いやすく、実現までの道のりが遠く感じられることもあります。そのため、短期的な成功体験を積み重ねるための中期目標が鍵となります。
ここでは、中期目標の重要性と、設定の仕方について詳しく解説していきます。
中期目標とは?
中期目標とは、短期目標と長期目標の中間に位置する目標です。
通常、中期目標は5年から10年の範囲で達成を目指すものが多く、短期目標(1年以内)と長期目標(10年以上)との違いを明確にするために存在します。
例えば、「1年以内に10万円の貯金をする」という短期目標と、「定年までに1,000万円の貯蓄をする」という長期目標の間に、「5年以内に300万円を貯める」という中期目標が設定されることがあります。
このように、長期のビジョンに向かって取り組む過程で、達成可能なステップを分割して計画するのが中期目標の役割です。
中期目標が重要な理由は、長期目標が大きく感じられてしまい、途中で挫折してしまう可能性があるからです。
例えば、キャリアにおいて「10年後に会社の部長になる」という長期目標を持っていたとしても、その間に何の進捗も感じられないとモチベーションが下がり、目標から遠ざかってしまいます。
そこで「3年以内にプロジェクトリーダーになる」「5年以内に管理職研修を受ける」といった中期目標を立てて段階的に進めることで、モチベーションを維持しながら前進することができます。
また、中期目標は「SMART」な目標設定においても役立ちます。
SMART は、Specific (具体的)、Measurable (測定可能)、Achievable (達成可能)、Relevant (関連性が高い)、Time-bound (期限がある) の頭文字をとっています。
具体的で測定可能、達成可能な内容であり、長期目標と関連しつつ、期限が設定されているという要素を兼ね備えることで、より実現しやすい目標を作り出せます。
SMART目標に基づく中期目標の存在は、長期的な成功を小さな達成感の積み重ねによって実現可能にし、結果的に自己成長やキャリアの発展を促進します。
中期目標の種類
中期目標は、人生のさまざまな側面において重要な役割を果たします。
ここでは、特に「資金計画」「キャリア」「自己成長」という3つのカテゴリーに分けて、中期目標がどのように機能するかを詳しく見ていきます。
1.資金計画
資金計画における中期目標は、個人の資金的な安定や将来の目標達成に向けて、5年から10年の間に達成可能な目標を立てることを指します。
たとえば、学生ローンの返済、副業の開始、自宅購入資金の頭金の貯蓄などです。
具体的には、「5年以内にローンを全額返済する」や「7年以内に300万円の頭金を貯める」などが該当します。これらの目標は、長期的な資金計画の一部として機能し、将来の大きな目標を達成するための確かなステップとなります。
また、副業を始めて毎月一定の収入を得ることや、投資を通じて資産を増やすことも中期目標の一環として考えられます。短期的な結果だけを見ず、長期的な目標に向かって積み重ねることで、生活の安定や財政的な自由が得られます。
2.キャリア
キャリアにおける中期目標は、仕事のスキルアップやキャリアアップを目指す人にとって重要です。新しいスキルの習得や資格取得は、5年から10年の間に達成すべき具体的な目標となり、将来のキャリアパスを確かなものにする役割を果たします。
たとえば、「5年以内にプロジェクトマネージャーの資格を取得する」「3年以内に業界内で認知度の高いセミナーに参加し、専門知識を深める」といった目標は、キャリアのステップアップに繋がるものです。
これにより、ただ日々の業務をこなすだけでなく、具体的な目標に向けて努力し続けることができ、最終的に自分の市場価値を高めることにもつながります。
中期目標を持つことで、日々の業務に追われながらも、将来を見据えた自己投資を行うモチベーションを維持することができます。特に、業界や職種において求められるスキルは年々変わるため、定期的に自己のスキルをアップデートし、キャリアの発展に向けて準備することが必要です。
3.自己成長
中期目標は、自己成長のためにも役立ちます。
ここでは、趣味やスキルの習得、教育を通じて自分を磨くことを指します。自己成長に関する中期目標は、個人的な充実感や満足感を得るだけでなく、生活全般においてより良い選択を可能にします。
たとえば、「3年以内にピアノで好きな曲を弾けるようになる」「5年以内にMBAを取得する」などが挙げられます。これらの目標は、日常生活における楽しみや達成感をもたらし、自分自身の成長を実感するための糧となります。
自己成長に関する中期目標は、長期的な学びを支える土台となり、個人としての成長や充実感を与えてくれます。
中期目標は、資金計画、キャリア、自己成長というそれぞれの分野で人生を計画的に進めるための指針となります。それぞれの目標を達成することで、長期的なビジョンに一歩ずつ近づいていくことができ、より充実した人生を送ることができるでしょう。
中期目標を設定する方法
中期目標の意味や重要性は理解いただけたでしょうか。
ここでは、中期目標を設定する方法について紹介します。
まず、自分にとって重要な長期目標を見つけましょう。それを達成するために目標を小さく分割し、中期的または短期的な時間枠で達成できるものを選別していきます。
たとえば、「老後資金の準備」が長期目標だとすると、以下のように目標を分割することができます。
まずは①と②を、短期目標として設定します。たとえば、「3か月以内に必要老後資金を明確にする」「半年以内に支出を見直し、貯蓄や投資に回せる額を明確にする」といった具体的で測定可能な目標にします。
③に基づいて、「毎月2万円を貯蓄/投資する」という具体的な目標を設定します。これをさらに中期目標として、「5年後に150万円を達成する」といった目標を立てると、よりモチベーションが保ちやすくなります。また、単に「月2万円貯蓄する」だけではなく、④にあるように資産運用の知識を深め、どの投資手法が最も効果的かを学ぶことも中期目標の一部です。
このように、中期目標を長期目標の一部として設定し、実現可能なステップに分解することで、目標達成の道がより明確になります。
まとめ
目標設定は人生をより充実させ、成長を促すための大切なプロセスです。
特に中期目標は、長期的な成功に向けての大切なステップであり、具体的な行動を導くための指針となります。
この記事で紹介したSMART目標のフレームワークを用いて、達成可能かつ測定可能な中期目標を立ててみてください。
毎日の努力が長期目標の達成へとつながるはずです。
公的年金の受給資格や金額を確認し、必要な老後資金の見積もりを行う。
老後に必要な生活費を見積もり、現在の支出を見直す。
老後資金に向けた具体的な月額の貯蓄/投資額を決める。
資産運用や投資についての基本を学び、自分に合った運用方法を模索する。