赤字なら確定申告しなくてもいい?

こんばんは。税理士のよしむら ともこです。
よくいただく質問です。
『赤字だったら、確定申告しなくても大丈夫だよね?』
でも、申告しなくてよくて、あなたはラッキー!!!と思っても実は損してるかも??というお話です。
個人事業主でどんな場合に申告しなくてもいいの?
個人でビジネスをしている方は、こんな場合は確定申告不要です。
- 事業所得が38万円以下の場合
- 副業のサラリーマンの場合は、お給料以外の所得(収入ー費用)が20万円以下の場合
でも。確定申告をしないことで、損をしていることがあるのはご存知ですか?
実は、確定申告が不要なことと確定申告をしてもメリットがないことは別なのです。
確定申告不要でも得とは限らない!!
青色申告選択している人にも、実は、確定申告をしないことで損してるかもしれません。
青色申告ってメリットがあったのを覚えてますか??
そう。
赤字を繰越が翌年以降3年間できましたよね?赤字を繰越すことによって、翌年以降の税金を安くする効果がありましたね。
でも、申告をしないと赤字の繰越はできません。その結果、将来の納税額を減らすメリットは使えなくなります。
これは、もったいないですよね~!!
健康保険料や住民税も高くなるかも!?
確定申告と住民税・健康保険料の関係
確定申告をすると、実はあなたの申告した内容(所得)は自動的に市区町村にデータが送られています。市区町村はそのデータをもとにあなたの住民税や健康保険料の金額を計算しているんですね。
もし、申告不要だからと確定申告をしない場合、どうなるのでしょうか?あなたの情報が一切、市区町村にもいかないことになりますよね。
住民税や健康保険料も高めに計算されてしまうかも?
国民健康保険料金や住民税の計算には、ある一定の収入以下だと負担を軽くすることができます。『軽減措置』というものです。
これが、無申告の場合はうけられないことになります。無申告の場合は、負担を特別に軽くしてあげるよ~っていう配慮が一切なくなってしまうんですね。。。。
住民税や国民健康保険料は、所得によって金額がきまります。
だから、赤字の時や所得が低い時は、むしろ確定申告をした方が住民税や保険料が安くなって、おとくなんです。
ローンがくめない 保育園に入れない
この他にも、日常生活にも実は、確定申告をしなかった影響が考えられます。
・住宅ローンがくめない
・保育料や児童手当などに影響
この2つも、去年1年間ちゃんと働いていましたよ~って証明をできるものがないことになるからですね。
売上の金額が結構あったら、申告はしておいた方がいいかも
あなたが計算した結果は赤字だけど、それ本当?
売上は結構あるなという方は、やっぱり申告をしておいた方がいいです。後から「赤字じゃないよ??」と税務署から言われてしまう可能性もゼロではないからです。
具体例
【あなたの計算】
「売上が400万円で経費は500万円だったと計算していて、100万円の赤字だ!」と考えて、確定申告をしませんでした。
ところが、数年後税務署から問い合わせが入り、税務調査が入ることになった結果。
【税務署の見解】
「この費用は500万円って事業用じゃない部分も入っている。実際には、経費は300万円。だから、100万円の黒字だ!」
この税務調査の結果、100万円の黒字に対する所得税と延滞税 無申告加算税があなたにかかってきてしまいます。赤字でも申告をしておけば、少なくとも、無申告加算税という罰金はかかりませんでした。
後から税務調査が入る可能性も考えておく
怖い例でしたね。。。。でも、こうなる可能性は、みんなゼロではないんです。
そこそこの金額の売上がある場合は、一応申告をしておくことをおすすめします。
まとめ
- 赤字の場合は確かに確定申告不要
- 青色申告で繰越せる赤字はないか?
- 所得証明や確定申告書が必要になるようなケースに該当しないか?
- 売上がそこそこあるケースは申告をしておく方が無難
最後に、確定申告をする場合でもしない場合でも7年間はかならず帳簿と請求書や領収書は保存しておいてくださいね。
では、また。
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